杉浦明平寄贈図書室


 杉浦明平は、1913年(大正2年)6月9日、愛知県渥美郡福江町(現田原市折立町)に生まれた。旧制豊橋中学を経て第一高等学校に入学、「アララギ」に入会し、土屋文明に師事。東京帝国大学国文学科に進み、立原道造や寺田透らと同人誌などを創刊し、交流した。大学卒業後、イタリア・ルネサンス研究のため、イタリア語を習得、翻訳・編集の仕事に携わった。第二次世界大戦中、郷里に戻り、共産党に籍を置き、渥美町議会議員を2期務めた。その間の見聞を元に、海苔養殖業者の利権争いを『ノリソダ騒動記』というルポルタージュで発表、その後も共産党員の活動記録『基地六〇五号』、映画化もされた『台風十三号始末記』『夜逃げ町長』などの新スタイルの記録文学が評判になり、注目を集めた。1962年(昭和37年)に新日本文学会内部の対立で共産党から離れた後は、畑仕事にいそしみながら、郷土の渡辺崋山をはじめとした江戸時代の文人を取り上げた小説や評論、食べ物エッセイ、翻訳などの多分野で活躍した。『朝日ジャーナル』に連載した『小説渡辺崋山』で1971年に毎日出版文化賞、1977年に中日文化賞、1995年に『ミケランジェロの手紙』の翻訳で日本翻訳出版文化賞の特別功労賞を受賞した。
田原市博物館「杉浦明平の世界」企画展より

杉浦民平写真

杉浦明平氏

 杉浦明平の蔵書から1994年に寄贈され、寄贈図書室には約8,800冊を所蔵しています。このほかに貸出可能な図書として活用されている寄贈書もあります。寄贈図書室の資料の大半は、大正から昭和に出版された和書(翻訳書含む)です。日本をはじめ、フランス、ドイツ、ロシアなどの文学が多く、約5,100冊あります。ほかに歴史関連が約1,300冊、社会科学(政治、経済、教育、民俗学)関連が約900 冊、哲学、自然科学、美術関連もあり幅広いコレクションとなっています。

寄贈室写真
寄贈室写真

 斎藤茂吉、島木赤彦、土屋文明など「アララギ」歌人の著作など詩歌関連。カール・マルクスはじめ社会・政治思想関連の図書のほか、井伏鱒二、柳田国男、川端康成らの初版本などもあります。

 入室は、申し込みが必要です。一部の特別取扱資料の閲覧は、別途申請書を提出の上、図書館職員立ち会いのもとで閲覧していただきます。
 複写・撮影は申請書を提出する必要があります。詳細は田原市渥美図書館にお問い合わせください。

田原市渥美図書館 (0531)33-1114

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